ちょっと詳しく放射線

【放射線の基礎知識】身の回りにある放射線

ここがポイント

自然放射線は、宇宙誕生・地球誕生以来あるもので、私たち人類は昔から、自然放射線を日常的に受けています。

自然放射線を受ける量は、地域、場所、条件などによって異なります。

【放射線は身近な存在】私たちは日常的に自然放射線を受けています

宇宙には多くの放射線が飛び交っていて、宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線は放射線の一種です。
さらに、大地には岩石に含まれるウランなど、空気中には岩石から放出されたラドンといったガスなど、地球上には多くの放射性物質が存在し、常に放射線を出しています。
また、食べ物にもカリウム40という放射性物質が含まれています。
カリウムは人間の体には欠かせない栄養素として、野菜などを通して体内に取り込まれますが、そのカリウム約1万個のうち1個が放射線を出すカリウム40です。
つまり、私たちは体の外から内から、日常的に放射線を受けています。

放射線は身近な存在

飛行機は空高く飛ぶほど、遮る空気の層が薄くなるため宇宙線が強くなり、乗っている人は乗らない人よりも受ける放射線の量が増えます。
また、トンネル内や地下では大地からの放射線が上下左右から出ているので、人が受ける放射線の量は地上にいるときよりも多くなります。


【異なる自然放射線量】地域によって自然放射線の量は変わります

■大地からの自然放射線の量

・火山灰層の多い東日本よりもウランなどを含む花崗岩が多い西日本の方が自然放射線量が高くなります。

・日本全国を県単位で見た場合、最も高い岐阜県0.52ミリシーベルト/年、逆に一番低いのは神奈川県の0.12ミリシーベルト/年です。


【異なる自然放射線量】場所、条件によっても自然放射線の量は変わります

■いろいろな場所での自然放射線の量

・駅や都心のオフィスビルでは、建物の重厚さを醸し出し、雨風の浸食に強い建築材である花崗岩がよく使われます。
花崗岩にはウランなどが多く含まれているので、このような場所では放射線量が通常の建築物より高くなります。

・地下やトンネルの中では、上下左右から放射線が出ているため、放射線量が高くなります。

・海や池など水の上では、大地からの放射線が水によって遮られるので、放射線量は低くなります。

いろいろな場所での自然放射線の量

時系列データを記録できる放射線測定器で大阪から奈良まで移動しながら連続的に計測したところ、場所による線量率の違いがこのように記録されました。

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