ちょっと詳しく放射線

放射線教育のポイント

中3の教育課程に準拠した学習の場合

2009年度からの移行期間を経て、2012年度から完全実施される新学習指導要領。
中学校理科においては、約30年ぶりに放射線の授業が行われるようになりました。
「科学技術と人間」の単元では、エネルギー資源を利用した水力・火力・原子力・太陽光などの発電のしくみやそれぞれの特徴について、長所や短所を理解する学習があり、原子力に関しては、放射線の性質と利用についても触れること、と新学習指導要領には記されています。
ここでは、新学習指導要領に書かれた学習内容をもとに、指導ポイントとこのサイトにおける該当ページを記載しています。

中学校学習指導要領解説 理科編(抜粋) 【第1分野】 科学技術と人間:エネルギー⇒エネルギー資源

(授業時間50分)

学習指導要領の具体的な内容と指導ポイント 該当ページ
原子力発電で使われるウランなどの核燃料は放射線を出している
  • 放射線と放射能、放射性物質は、それぞれ意味が異なる。
    また放射能と線量を表す単位は異なる。
  • 放射線を出す能力は時間とともに減衰し、放射能の量が半分になるまでにかかる時間を「半減期」といい、その時間は放射性物質の種類によって決まっている。
    これは、加熱や圧力、衝撃、電磁波などの手段で変えることはできない。

放射線、放射能、放射性物質

放射線に関するQ&A

自然界にある放射線
  • 自然界の放射線は宇宙誕生以来あるもので、人類は古来から自然界の放射線(自然放射線)を日常的に受けている。
  • 身体に受ける自然放射線の量は地域、場所、条件などによって異なる。
  • 日本人は自然放射線を年間約2.1ミリシーベルト、医療で放射線を年間約3.9ミリシーベルト受けている。放射線の影響は、自然放射線も人工放射線も変わらない。
  • 自然界に存在する放射性物質を、呼吸や食品摂取によって体内に取り込んでいる。

身の回りにある放射線

日常生活と放射線

透過性を持つ放射線
  • アルファ線、ベータ線、ガンマ線などさまざまな種類がある放射線のうちエックス線、ガンマ線は、赤外線、可視光線、紫外線などと同じ電磁波の仲間である。
  • 放射線にはエネルギーを持つ高速の粒子で粒子線と呼ばれるものがある。
  • 放射線には物を透過する作用、電離させる作用がある。
    これらの作用は、放射線の種類やエネルギーによって違う。

放射線の性質

〈コラム〉

医療や製造業などで利用されている放射線
  • 放射線の持つ高い透過力やエネルギーは、医療をはじめ、農業、工業など身近な多くの分野で利用されている。

幅広い分野で活躍する放射線


発展学習の場合

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故を受けて、大気中や海中に放射性物質が出ました。以降、各種報道によりさまざまな情報が飛び交い、多くの人が放射線による健康への影響について不安を抱いています。
また、不確かな情報と不十分な理解は、不安を一層助長する原因ともなります。
ここでは、放射線への誤解や不安に対応し、正しい理解へ導けるよう、新学習指導要領で扱われている内容に加え、放射線が人体に及ぼす影響についての指導ポイントとこのサイトにおける該当ページを記載しています。

中学校学習指導要領解説 理科編(抜粋) 【第1分野】 科学技術と人間:エネルギー⇒エネルギー資源

(授業時間50分)

学習内容と指導ポイント 該当ページ
放射線が身体に与える影響
  • 放射線を受けると遺伝子(DNA)は傷つくが、人体の持つ修復機能により回復する。
    ただし、多量に放射線を受けると身体影響が発生する。
  • 身体影響には、被ばく量の増加とともに重症度が増す「確定的影響」と発症確率が増える「確率的影響」がある。
  • 身体への影響は、体細胞、生殖細胞、胎児への被ばくによって異なる。

放射線が身体に与える影響

放射線が健康に及ぼす影響
  • 放射線量と身体影響の関係については、これまで実施された多くの調査・研究結果等からいろいろなことが判明しており、それをもとに安全基準が作られている。
  • 一般公衆、放射線業務従事者の年間線量限度は、十分な安全を確保するため法律によって定められている。

放射線量と健康との関係

〈コラム〉

放射線とがん
  • がんの発生要因には放射線以外にも大気汚染、生活習慣(喫煙、大量飲酒、運動不足等)など日常生活のさまざまなものがあり、要因を特定することは困難である。
  • これまでの知見から、放射線によるがんの死亡率は100ミリシーベルトでは一生涯で0.5%増加し、これより少ない線量では増えるとも増えないともいえない、と結論づけられている。
  • 放射線がDNAを傷つけることは発がん要因の一つになるので、被ばくを少なくすることは重要である。

放射線とがん

〈コラム〉

内部被ばくと外部被ばく
  • 放射線を受けることを「被ばく」といい、呼吸や食べ物によって体内に取り込まれた放射性物質による「内部被ばく」と、体の外から放射線を受ける「外部被ばく」がある。
  • 体内に入った放射性物質は、「物理学的半減期(一般的な半減期)」と排泄などによる「生物学的半減期」の両方により時間とともに少なくなるため、放射線量は減少していく。
    「物理学的半減期」は変えることができないが、「生物学的半減期」は水分や食物、薬の摂取などで変えることができる。

放射線に関するQ&A

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