●日本人は自然放射線を年間で約2.1ミリシーベルト、医療で放射線を年間約3.9ミリシーベルト受けています。
●呼吸や食品の摂取によって、自然界に存在する放射性物質を体内に取り込んでいます。
宇宙や大地、食事や呼吸で取り込んだ放射性物質など、放射線は私たちの身近にあり、日本人は1年間に約2.1ミリシーベルト※の放射線を受けています。
また、私たちは医療をはじめ食品の保存や日用品の製造などに放射線を利用しています。
これらで使われている放射線も人への影響は自然の放射線と変わりません。
例えば、健康診断などで受ける胸のエックス線集団検診1回で、約0.06ミリシーベルトの放射線を受けており、個人差はありますが、日本人が医療から受ける放射線の平均は1年間で約3.9ミリシーベルトといわれています。
なお、放射線を使用する施設や原子力施設を設置するときは、その敷地境界での線量が、自然界から受ける線量と同程度の年間1ミリシーベルトを超えないように設計されています。
※日本が世界平均2.4ミリシーベルト/年より低いのは、地質や建築様式、換気習慣などの関係で、屋内空気中のラドンが少ないためです。
人間の体内で筋肉を動かす働きをするカリウムの量は、体重の約0.2%です。
下記のようなカリウムを含んだ食物を食べることで体内に入りますが、自然界のカリウムのうち約1万個に1個が放射性物質であるカリウム40で、体内のカリウムも同じ割合で放射性物質のカリウムを含むことになります。
これに呼吸を通じて取り込むラドンや炭素14などを合わせると、体内にある放射性物質の量は、体重60kgの人で約7,000ベクレルになります。
なお、体内に取り込む量と体外に排出する量とのバランスで、体内における放射性物質の量はほぼ一定だといわれています。
被ばく…医療などにおいて人体が放射線を受ける場合は「被曝(被ばく)」、原子爆弾などにより放射線の被害を受ける場合は「被爆」、と“ばく"の字を日偏と火偏で書き分けます。なお、“曝"は常用漢字ではないため、通常は“ばく"と平仮名で書かれます。